愛媛十全医療学院平成31年度授業要綱
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-7-学科名理学・作業必修科目科目名社会倫理学区分基礎分野単位数担当者講師 森川 孝学年・学期1年生後期1〔授業の目的・ねらい〕他者を自己利益を推進するための手段として見る(ネオ・リベラリズム)という風潮が世を覆いがちな今、「どんな利己的な人間にも例外なく備わる(アダム・スミス)」他者への共感は、他者を自己自身と同等な尊厳ある存在として見る大切さに気付かせてくれる。それは、人間的愛の本質への問いとも深く関わるのである。また、我々を取り巻く環境に目を転じると、近年多発する自然災害がグローバルな危機として我々を直撃する一方、社会生活の利便性を飛躍的に高めつつある情報化の進展は、人間社会を引き裂く危険性をも胚胎している。こうした世界と社会における人間関係に対応する倫理的規範のあり方について理解し問題意識を深める。〔授業概要〕Ⅰ.共感と社会倫理(第1回~第4回)ⅰ.共感は人間の根源的欲求に根ざすもの;承認の欲望ⅱ.共感を成立させるものは何か?;公平な観察者と適宜性ⅲ.良心と社会道徳;想像的共感と慣行的共感ⅳ.賢者の心と弱い心~経済的繁栄の論理と社会秩序~Ⅱ.愛と社会倫理(第5回~第7回)ⅰ.愛をめぐる諸類型:異性愛、社会的愛、宗教的愛ⅱ.愛は感情か‘Art’かⅲ.欲望としての愛と倫理的愛Ⅲ.環境と社会(第8回~第11回)ⅰ.環境倫理思想の転回~人間中心主義批判から人間主義へⅱ.世界をめぐる水危機水は権利か必需品かⅲ.災害に備える倫理(1)防災訓練の目的は?命の保全か、命と財産の保全かⅳ.災害に備える倫理(2)災害時に問われる他者への義務は?Ⅳ.情報化社会と倫理(第12回~第14回)ⅰ.ネット空間の光と闇匿名性の功罪ⅱ.ネット社会の規制と人間の自由ⅲ.知的所有者と人間社会の変容Ⅴ.全体のまとめ(第15回)試験(第16回)〔教科書〕なし。原則として毎回配布するプリント教材にてそれに代える。〔参考書〕1.アダム・スミス~『道徳感情論』と『国富論』~,堂目卓生,中公新書,20082.アダム・スミス著『道徳感情論』村井章子&北川和子訳、日本評論社,3.愛するということ,エーリッヒ・フロム著鈴木晶訳、紀伊國屋書店4.モード・バーロー著、佐久間智子訳,『ウォーター・ビジネス』,作品社5.災害に向きあう,直江・越智(編)-高校倫理からの哲学,岩波書店6.CODE-インターネットの合法・違法・プライバシー,L.レッシグ,翔泳社〔その他〕〔成績評価の方法〕最終週に行う教場試験(ペーパーテスト)における評価を基本とする。ほかに、テーマの節目ごとに課すレポートや、授業への積極的参加姿勢(発言などによる)を加点材料とすることがある。

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